The Look of Love 〜恋のおもかげ〜

The look of loveはダスティ・スプリングフィールド(Dusty Springfield)が映画カジノロ・ワイヤル(1967:アカデミー歌曲賞にノミネート)で歌って有名になった曲だそうですが、特段映画好きという訳でもない私はこの映画を見たときもほとんど印象に残っていませんでした。

記憶をたどれば、この曲を最初に聞き込んだのは、ケニーG(Kenny G)のCDを購入した時でした。

CLLASSICS IN THE KEY OF G 〜Kenny G〜

Classics In The Key Of GケニーGはサックスの名手ですが、このアルバムはインストゥルメントだけではなく、ルイ・アームストロングやベベル・ジルベルト(ジョアン・ジルベルトの娘)とコラボした曲も入っています。
どのような経緯でこのCDを手に取ったのか今となっては定かではありませんが、おそらく、もともとアコースティック系が好みということと、レーベルに載っている曲に見覚えのある曲名が入っていたためにレジに持って行ったのかもしれません。

そもそもサックスの技法など全く分からない私ですが、ケニーGの奏でるThe look of loveは、独特の哀愁が漂いつつ力強さともとれる自己主張をはっきりと表現しているように感じます。

最高の楽器は人間の声(のど)と言いますが、ケニーGのThe look of loveを聴いていると、演奏する人間よって楽器も人間の体の一部のように振る舞うことができるものだと、つくづく思いいったものです。

ところで、このアルバムに、ベベル・ジルベルトが歌うThe Girl of IPANEMA(イパネマの娘)が収録されています。
琴線に触れるとはこのことで、すっかり魅了されてしまったことを覚えています。
私にとっては、ジョアン・ジルベルトや他のカヴァーよりも、このベベル・ジルベルトとケニーGの曲が一番のお気に入りです。

THE LLOK OF LOVE 〜diana krall〜

The Look Of Love女性ボーカルにはまっていた頃に購入したもので、SACDの輸入盤です。

スモーキーボイスと言えば、私はノラ・ジョーンズNorah Jones)を思い出すのですが、ダイアナ・クラールも、かろうじて声のかすれを押さえた、ノラ・ジョーンズよりもちょっと粒子の大きめの霧のようなウェットな歌声が魅力的ですね。

ダイアナ・クラールのアルバムは他にも何枚か持っているのですが、このアルバム以外はほとんど聴かなくなってしまいました。
べつに、エルヴィス・コステロと結婚してしまったから・・・という訳ではありませんが(笑)、あまり好みでない曲が入っているアルバムは、やはり手に取る機会が少なくなるようです。

ちなみに、ロックやパンクといったジャンルには全く無縁の私にとって、唯一コステロの歌う曲で気に入っている(というか、これしか知らない)曲は、映画Austin Powers The Spy who Shagged Meの挿入歌である、I'll Never Fall In Love Again - Burt Bacharach & Elvis Costello - です。
オリジナルも知らないのに、ちょっとそぐわないような場面での挿入だったので印象に残り、サントラ盤も購入した記憶があります。

The Look of Love 〜Grace Mahya〜

ザ・ルック・オブ・ラヴ2006年から2008年まで毎年アルバムをリリースしていたのに、最近はリリースが無いな…と思ってAmazonをのぞいてみたら、ゲーム音楽に進出していたんですね。
ちょっとびっくりです。

MahyaのThe look of loveは、ダイアナ・クラールの曲とは異なり軽快でテンポの良い、ある意味The look of loveとしては異色な曲といえるかもしれません。
もちろん、Mahyaの特徴である癖のないさらっとした歌い方はそのままで、私にとって非常に好感が持てるものです。
Jazz系の女性ボーカルといえば、綾戸智恵のようなねっとりとしたコブシの効いた歌い方よりも、私はこのMahyaや鈴木繁子のような素直で癖のない歌い方の方が好みなのです。

Grace Mayhyaは他のアルバムでThe Girl of IPANEMAを歌っているのですが、これも軽快なアレンジで、ベベル・ジルベルトとケニーGの曲とはまた違った魅力があり、とても気に入っています。

The look of loveやThe Girl of IPANEMAなどの名曲はいろいろなアーティストがカヴァーしていますが、オリジナルにこだわらず自分の好きなアーティストがどのように歌っているのかを聴いてみるのも楽しいものです。