PC用スピーカーの比較

PC用スピーカー再生について、低音の重要さについて再認識したことがあります。
これは何も音楽再生に限った事ではなく、例えばSkypeでの通話の際、低音再生に優れたスピーカーを使用した場合と、そうでないスピーカーを使った場合とでは、会話のし易さが格段に違います。

私は、PC用スピーカーとして、長らく
・AT-DSP300(生産完了)

audio-technica デジタルパワードスピーカー [AT-DSP300 BK]

audio-technica デジタルパワードスピーカー [AT-DSP300 BK]

と言うオーディオテクニカのスピーカーを使用してきました。
このスピーカーは、江川三郎氏推奨と言うことで有名っだたのですが、そのインテリア性と共にニアフィールド・リスニング用として、特にアコースティック系の音楽を楽しむには十分に満足のいくスピーカーだと思います。

数ヶ月前のことですが、何気なくインターネット・サーフィンをしているとPCスピーカーの広告が目につきました。
Amazonの広告で、
・Creative SBS A320

Creative SBS A320 2.1チャンネルマルチメディアスピーカー SP-SBS-A320

Creative SBS A320 2.1チャンネルマルチメディアスピーカー SP-SBS-A320

と言う2.1チャネルのPC用スピーカーです。
驚いたのはその価格で、円高・デフレとは言っても、3,000円とは。。。

中高音用のスピーカーと低音用のスピーカー(ウーファー)の組み合わせで違和感なく音楽を聴くことの難しさを多少なりとも経験したことのある者として、この3,000円のスピーカーがどのように鳴るのか、逆に興味を持ったのでした。
と言うことで、思わずポチッとしてしまいました。

メインの自作PCのスピーカーをAT-DSP300からA320に交換し、しばらくCDからリッピングした音楽やyoutubeなどを聞いて感じたのが、冒頭に記述した事でした。

音楽性(聞いていて楽しい、気持ちよく聞ける、感動する)という意味では、それぞれスピーカーの目指す方向性や固有の特性が異なるため、一概にどちらがどうと言うことはできませんが、PC用スピーカーとして敢えて印象を記述すると、
 AT-DSP300…趣味性
 A320…オールマイティ
といったところでしょうか。

A320は、私の好きなアコースティック系の女性ボーカルの楽曲を聞くと、思いの外ボーカルの存在感を主張し、その立体感と相まって3,000円のスピーカーとは思えないような鳴り方をします。
特に、インターネットラジオSkypeでの声の聞きやすさはDSP300よりも上かもしれません。
ちなみに、ウーファーのボリュームは控えめ(ツマミの位置は、だいたい11時55分)にしています。

一方、AT-DSP300の特徴は、その繊細さや静謐感にあり、生活音の無い静かな深夜に小音量で聞く女性ボーカルは、PC用と言うよりもオーディオ用スピーカーと言えるかもしれません(ちょっと大げさですが)。
あくまで、小音量再生用のスピーカーで、ボリュームを上げると音割れを起こしますし、低音も控えめです。
ただ、スピーカーのエンクロージャーに音の振動が結構伝わりますので、いわゆる’鳴りやすい’台に載せて再生すると、思いの外低音も聞こえます。(好き嫌いはありますが)

以下のファイルは、A320、AT-DSP300のそれぞれのスピーカーからの音を、ROLAND R-05で録音したものです。(WAVで録音しmp3に変換)
Roland ローランド WAVE/MP3ポータブルレコーダー R-05
音声は、SkypeのEcho/Sound Test Serviceの案内の声です。
楽曲は、フリー音楽素材MusMusさんのHPに掲載されている「ともしび」という楽曲です。

音声楽曲
A320DownloadDownload
AT-DSP300DownloadDownload

ごく普通の部屋でなるべく条件を変えずに録音するのは、なかなか難しいことです。
スピーカーの設置は普段使用しているPC環境で、左右のスピーカーの間隔は約70cm、A302のウーファーはディスプレイの後方約30cmです。

まず、なるべく生活音が少ないように、夜の10時頃に録音しました。
しかし、夜の10時ともなれば、そんなに大きな音を出すことは憚られる時間です。
そもそも、A320はともかく、AT-DSP300は大きな音は出せません。
そんなわけで、近所迷惑のならない程度の、かつ、AT-DSP300の出せる可能な限りの大きな音、と言うような条件で録音したのでした。
それでも、R-05で録音した音は、かなり小さいです。
R-05にはマイク・ゲインの切り替えスイッチがあって、ゲインをhighにすればそこそこの音量で録音できるのですが、同時に生活音も盛大に録音されてしまいます。
と言う事で、今回はR-05での録音時はゲインはLowのままで、編集ソフトで+20ほどゲインを上げています。




比べてみると良く分かりますが、当然のことながらA320の方が音に厚みがあって安定して聞こえます。低音もちょっとボンボン気味ですが(私は、もう少し締まった低音が好きです)、許容範囲では無いでしょうか。
一方DSP300の方はA320よりは軽い音になりますが、特にバイオリンのしなやかさに特徴が出ています。

音声については、今回は男性の声でしたのでA320では低音が強調されすぎてしまっていますが、女性ボーカルではDSP300よりも声の厚みが出て、よりリアリティが増したように聞こえます。(もちろん、DSP300の繊細さも捨てがたいのですが)

現時はメインのPC用スピーカーとしてA320を使用していますが、時折DSP300をつないで、A320とはまた別の音を楽しんだりしています。