川口順子(よりこ)元参院環境委員長解任で誰が得をしたか

先週の話ですが、川口順子参院環境委員長が解任されて、野党は”勝ち戦”に沸いていたそうですが、今回の解任劇で得をしたのは言うまでもなく中国でしょう。

中国は25日の会談をセッティングした時点で、川口氏がその会談に応じようと応じまいと、日本の政局に混乱をもたらすと言う意味で、どちらでも良かったのです。(実際、会談の内容も中国にとってはそう重要なものでは無かったのではないでしょうか)

中国にとってはこれまで組みしやすかった民主党政権に替わって自民党政権になり、対日外交でちょっと手詰まり感があった中、川口氏が中国滞在を延期した場合、今回のように(解任劇まで発展することをよんでいたかは別にして)野党が反発し国会運営に支障が出る事態になつことは計算ずくでの事でしょう。

逆に、もし川口氏が会談に応じずに帰国した場合、中国は「わが国は中日間の諸問題を解決しようと努力したのに、日本がこれを無視した」といった口実のもと日本に対して圧力をかけて来たでしょう。(民主党などがこのような中国の言い分に追従し、外交問題として自民党に対する攻撃を仕掛けてしまう事も織り込み済みでしょう)

自民党は、このような中国の見え透いた思惑は解っており、会談に応じた場合と応じなかった場合のマイナス度を考え、委員長不在通知に対する野党の不承認にもかかわらず25日の会談を優先したのでしょう。

国益を考えるならば、一片の隙も中国に与えないために、25日の会談に応じつつ、委員会審議は日を改めて(あるは、委員長の代理を立てて)粛々と行うべきでした。

もっとも、
国益とか言うが、そういうことをわれわれが判断する立場にない」(参院民主党幹部)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/stt13050907570000-n2.htm
とか
「テレビ中継奪われた」(輿石氏)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/plc13050921470015-n2.htm
とか平気で発言する国会議員が存在している時点で、まっとうな国益の議論を期待するのは無理かもしれません。

それにしても、今回の解任劇について維新の会はどうしてしまったのでしょう。
中国の思惑通りになってしまったことに対する危機感は無いのでしょうか。
教科書問題や南京問題であれほど毅然とした態度を表明していたのに今回の対応を見ると、やはり大阪と東京とでは一つの党として結束するのは難しいのではないかと思ってしまいます。